今ではすっかりレガシーメディアとなってしまったVHSだけでなくβテープやVHDも今のところ再生環境を維持している。それらの古い機器からの映像は比較的新しいTBCやN/Rを通したいのでAVセレクタを介して一度VHSデッキに入力、VHSデッキのコンポーネント出力からAVプリに入力する構成としている。(D-VHSデッキなのでD端子が出力がついている)
長らくAVセレクタはSONY SB-V5というアクティブタイプのセレクタを使用していたが、これはコンポジットの入出力にしか対応していない。
しかしラックに収まっているのはEDBetaデッキやノーマルβデッキ唯一のS端子搭載機であるSL-2100。これらをコンポジットで接続しておくのはやはりもったいないのでS端子付きのAVセレクタを探すことにする。
別になんでもよかったが、SONYのアクティブタイプということでヤフオクでSB-V500を落札…するも動作不良だったので修理してみる。
症状は接続すると「白い画面が出てチラチラ」するというもの。
また、何も接続していない入力に切り替えるとハム音が出る。
さて、まずケースを開けると明らかに焼けている部分がある。電源部らしい。
電源部はトランスから来たAC9.5VからDC+5V及び-6V/+6Vを生成する部分とAC17VからDC12Vを生成する部分の二系統。焦げてるのは12V系の模様。
ブリッジ整流回路の後では17.5V程度の電圧がないといけないはずだが10V程度しかない。明らかに電源部不良なのでパワーダイオードと平滑コンデンサを交換する。
使用されているダイオードは日立V06C、横のコンデンサは35V3300uF。
V06Cはディスコンなので推奨代替品のBYT51D-TAPを使用する。
背面端子を固定しているネジをいっぱい外して、右下のアースネジを外して、プラスチックの留め具を2か所外せば基盤が浮く。
あとはフロントの基盤とつながる薄いケーブルを2本外すと基盤がひっくり返せる。
あーこれは酷いな。レジストがボロボロでべったべた。
浮いているレジストは除去してきれいにする。(写真撮ったあともう少しきれいにした)
ボロボロでなかなか外れない部品と少々格闘、新しい部品に換装。
片面基盤なのでスルーホール修復とかは気にしなくてよかった。
どうしても見た目は汚い。はんだの乗りが悪すぎて部品実装に苦戦した。
レジストが剥離しているのでボロボロのランドを避けてランドじゃないところにつけたり、隣の部品まで足を延ばしたりしてなんとか実装。
その後動作確認。どうやら直ったらしいぞ…と思っていたら突然映像が出なくなった。
調べたらR902が不通。しかしくすんでいてカラーコードが不明瞭。茶-白-黒-金ぽいが19Ωなんて抵抗は普通ないので茶-灰-黒-金で18Ωかなぁ。1番目と3番目は色が違いそうなので180Ωではなさそう…ということで18Ωを実装。この抵抗の後段は12Vレギュレータなので多少は…。
レジストがはがれていた部分にはソルダーレジスト補修剤を塗っておく。
ほんとは緑色がいいが青色しかなかった。
はんだ面は先述の通り試行錯誤した結果見た目が悪くて恥ずかしいので非公開()
とにかく動作するようになったので基盤とケースを戻して終了。
パーツ代は500円でした。